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Parisへ
今月6日より10日までパリへ行ってきました。mainoaDESIGN(北フィンランドのクラフトグループ)として一緒に活動している木工作家のIrma Annanpalo(イルマ アンナンパロ)さんも一緒です。

目的は国際室内装飾見本市、メゾン・ド・オブジェを見ることと、パリ市内のデザインショップ、ブティックをまわって、私達の作品を置いてくれるお店を探すこと。私にとって初めてのパリなのに、頭の中はお仕事モードでパンパン。なんだか行く前から(早く帰ってきたいなぁ。。)とマーケティング活動に憂鬱です。Aika Felt Worksを立ち上げてから、遠出と営業はセットになってしまいました。

私は物欲が無く、都会よりも田舎や自然の中で過ごすのが大好き。だけど!パリですよパリ!行ってみればやっぱり華やかで素敵でした。これからパリでの出来事を綴りますが、観光やショッピングではなく、また買い付けでもない、『売り込み』がテーマのちょっとハードな旅です。それを念頭に、パリ進出を考えている作家さんへのご参考に、旅はスタートです。
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旅準備はネットでのショップ探しから始めました。フランス語はしゃべれないので、もっぱら日本語で検索。‥‥しばらくするうちに、これはちょっと難しいなぁ、と気がつきます。パリの情報といえば、ファッション、スウィーツ、カフェばかりで、私の知りたいモノのデザインや雑貨のお店の情報はほとんどありません。あってもアンティークものか、輸入の安価なもののお店。パリでデザイン・クラフトショップは見つからない??

英語に切り替えて探すことにします。するとこんなサイトが。DESIGN A PARISはデザインショップを巡るツアーを企画し、ガイドしてくれる会社のようです。そのトップページに、市内の区別にデザインショップを網羅したリストが!一つ一つのお店を検索する根性は半分くらいで萎えてしまいましたが、一つ(だけ!)素敵なクラフトのお店が見つかりました。

Le Petit Atelier de Parisは、デザイン学校で出会ったステファンとジェの二人が経営する磁器のお店で、お店の奥にはワークショップがあり、そこで制作された手作りの白い器たちが居心地のいいナチュラルな空間に並んでいます。ウェブサイトを良く見ると、すでに日本の雑誌数社がこのお店を日本へ紹介していて、やっぱり日本人の審美眼は鋭い、と感心。日本人アーティストととのコラボレーション作品で、このお店でエキシビションをされたこともあるみたい。イルマさんと一緒にここにメールを送ってみることにしました。

私達の作品の画像を添付したメールをお送りし、待つこと1週間。‥‥。‥‥。お返事はありません。かなりの時間をさいて探したにも関わらず、このアトリエ以外に良さそうなショップを見つけることができなかった私達はがっくり。パリのアーティサンが作るモノはデコラティブなものが多く、シンプルで機能的なものを作っているのはこのアトリエだけだったのです。それ以外はフィリップ・スタルクやアレッシのような、有名デザイナーのコレクションを売る店ばかり。パリへの期待が薄れていきます。でもいくつかのデザインショップを見つけて、メモをしていきます。

b0091802_0101728.jpg出発がいよいよせまり、イルマさんのお友達で小学校に上がるまでパリで暮らし、結婚した今も年に一度はパリに行くというカイサさんに来てもらって、パリ情報を教えてもらうことにしました。

カイサさんによると、小さなブティックは4区のPlace des VosgesとCentre Pompidouの間の、小さなストリートにひしめいている、とのことでした(上のマップ)。そこを中心に、外側にも素敵なショップが集まってきているらしい。

それから安くて美味しいレストランは5区に(中央のマップ)。

パリに行ってここを訪れないのはちょっと恥です、と言われたモンマルトルは18区(下のマップ)。ただ歩くだけでも素敵で、建物の中にある中庭も、門が開いてたら入って見るべし、cozyだよ、とのこと。

お金を使いたかったらシャンゼリゼへ。べらぼうな値段でコーヒーやアルコールを出すお店がいっぱいあるよ、と教えてくれました。もちろんシャンゼリゼはアウトです!

名刺やカタログを用意し、サンプルの作品をいくつか詰めて、いよいよ出発です。ロバニエミからは消えてしまった陽光をパリに期待して!


さぁ!パリです。
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着いた日は曇り空で、古い建物の窓にはアイロンワークの黒い装飾的な柵が、そこに置かれたグリーンや花の鉢ととても良く合っていて、初秋色の街路樹のパリは少し悲しげな雰囲気。古いオルゴールのようです。それに‥‥なんだか良い香り。お香をどこかで焚いているのかしら?でもこの良い香りは毎日、どこかのストリートで必ず私を包んでくれました。香水かもしれませんね。それにしても、パリジェンヌのガーデナー魂は逞しい。ベランダじゃないんですよ?窓の柵に、そのすごーく小さなスペースにいくつもの鉢を詰め込んで花やグリーンを育てています。そしてそれが街の顔をつくっています。

さて。まずはLe Petit Atelier de Parisへ行ってみることにします。メールのお返事がもらえなかったからといってすねることはない、できるだけフレンドリーに話しかけてみよう、とイルマさんと出発。

お店には看板が出ていなかったけど、オーラですぐにわかりました(笑)。お店に入ってみると、期待通り、スペースをゆったりとって作品が並べられています。うーん、お値段もお手ごろ。これは相方の妹達へのおみやげにいいなぁ。。。イルマさんと二人でお買い物モードになってしまいました。
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お店の様子は彼らのウェブサイトでみれるので、写真は私が買ったものだけ。薄いコップのディテールもとても良くて、型を割った時のヘリが少し残っています。

ジェさんが、どこから来たの?と話かけてくれたのをきっかけに、実は。。。と私達がメールを送ったことを伝えました。ステファンくんもすぐにそれと思い出してくれて、ちょっと打ち解けて話が始まりました。

彼らは自分達の作品以外のものは売りたくないし、コラボレーションする時も、何度も会って試作を繰り返して、材料を触りながら進めていき、お互いに学べるようにやっていきたいんだ、と話してくれました。全くもって良い姿勢です。私達二人は北極圏のそばに住んでいるわけで、メールでやり取りしてのコラボレーションは非現実的。残念ですが、私もイルマさんも素材を使ってものを作っているので、彼らの言うことはとても良くわかるのです。でも、いいデザイナーだなぁ。彼らに会えて、すごくうれしくなりました。将来は、アーティストレジデンスを作って、アーティストを招待してコラボレーションワークをしたいんだ、と夢を語ってくれました。。。きっと叶うよ!

彼らに、パリ市内に良いお店はないかと聞いてみました。
sentou galerieboutique musee des arts decoratifs、Rue Charlot(マップ上にあるストリート)、Le bon marche。いくつかは私もネットで調べて知っていました。もうこの日は閉店までに時間が無かったので、次の日に行くことにし、たくさんお礼を言ってお店を後にしました。
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パリは夜も美しくライトアップされていて、ちょっと酔った旅行客にあふれて気分も軽く華やかです。私のフランス人観といえば、感情的で、閉鎖的で、プライドが高い難しい人たち、というものだったのですが、そんなことはありません。英語で話しかける私にも普通に優しく(フランス語で)返事をしてくれます。ツアリストへの嫌な顔などされませんでした。


次の日、まずはsentouへ。sentouのショップはパリに3つあって、小物を扱っているのはRue du Pont Louis-Philippeにあるショップ。開店時間を待ってお店に入ります。良いお店なんだけど、一部、ここのオリジナル商品らしい缶箱のデザインがなにか子供向けの派手なデザインで??という感じ。惜しい。買い物客が少なくなったのを見計らってお店の人に話しかけます。

残念ながら、バイヤーはメゾン・ド・オブジェに出展していて忙しく不在。当たり前ですよね。マーケティングに行くタイミングって難しくて、こういう世界的な展示会は年中あって、その買い付けが終わる前に行かなければ行けないのだけど、メールを出しても忘れられるし、バイヤーが捕まるかどうかは運によるところも大きいのです。カタログをお渡しして、バイヤーの連絡先を教えてもらいました。
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写真はRaspail店。

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4区マレ地区には小さくて素敵なショップがいっぱい。でもこのお店はパスしました。ちょっと雰囲気が違います。

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2軒目にアタックしたのはここ、BENSIMON。作家もののテキスタイルもあれば、アジアからのインポートらしいシューズもあります。うーん、なんだか価格のバランスがとれてないのでは。。パリのショップめぐりをしていて、コーディネートに一貫性が欠けるような気がしてきました。イルマさんも同感なようです。ここでもバイヤーは不在。同様にバイヤーのコンタクトアドレスを聞き、カタログをお渡ししてお店を後にします。

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ここはcorner shop。ここはショップ自体がお休みでした。メゾン・ド・オブジェに行かれているようです。カタログを郵便受けに残します。

次はFinnish Instituteへ。実はこの旅はLapin Liittoという私達の住むラップランド地方の商工会議所みたいなところが主催した研修旅行で、参加者は15名ほど、皆クラフトをやっている女性ばかり。旅費の半分をそこが負担してくれているのです。これまで単独行動だった私達はここでみんなと合流。フィンランド文化を広めるために活動している組織を訪れます。映画の小ホールと展覧会スペース、図書館がある文化的な施設です。ここで展覧会ができればいいのに。。。
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でも、ここまで精力的にマーケティングしてまわっているのは私達二人だけのようす。お勤めをしながらクラフトのビジネスをしている人や、学校を卒業したばかりの女の子達もいるので、お尻に火がついたように歩き回ってくれるイルマさんというパートナーがいて、今回とても心強かったです。飛び込み営業は、一人でやるのと二人でやるのでは精神的なキツさが全然違います。がんばれるんです。

その後皆でFINNOVAへ。ここはmarimekkoやWOODNOTESなどのフィンランドブランドを扱うお店で、オーナーもフィンランド人です。フィンランド人らしくない、ちょっとネチッこい関西風、こだまひびき系のしゃべりをするおばさんで、大阪出身の私はつっこんでいいのやら、初対面でどう切り返すべきか悩むところでした。私の商品は気に入ってもらえたんだろうか。。フィンランド語でつっこみができるようになりたいものです。
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b0091802_402817.jpgパリでは、こんなカラフルポップなショップがたくさん目につきました。素材の質感、エコロジーとかナチュラルが主流の日本とは対照的です。

あとはハイセンスなお茶の専門店、禅を意識したものはとても素敵でした。

デパートのショウウィンドウにはすごく期待していたのですが、特にどうということもなく、日本の方がレベルは上かも、という感じでちょっと残念でした。

みなさん読み疲れてきましたか?本人達はヘロヘロのくたくたでした。メトロに飛び乗り、地図を読み間違えたりしながら、とにかく歩く歩く歩く。私達まだ、エッフェル塔見てないよねぇ。パリにいるのに。。と二人で笑います。明日はちょっと観光しよう、と決めました。



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イルマさんは地図を読むのが上手。私は自分のことを西日本でも屈指の方向音痴、と言ってまわっているのですが、このブログにもコメントをよくくれる73ちゃんが、私のフィンランドへの旅立ちの時、餞別にくれたのは方位磁石でした。ありがとう。。などと思い出しながらイルマさんをパシャ!鮮やかな色の服を着たイルマさんは花に囲まれてもっときれいです。
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アノ塔です。イメージと違って巨大でした。遠くから寝転んで見るのがヨイ。
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Musee du Quai Branly。建築と庭園の競演、建築自体が庭園となったすごい建築。ここの居心地のよいカフェで休憩しました。

観光もいいけど、やっぱりもう一軒ショップに行きたい、とイルマさんを連れて行ったのが[the collection]というショップ。着いた時はもう19時の閉店時間を過ぎていました。
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でもドアは開いています。恐る恐る入っていくと、にっこり、ボンジュール!と招き入れてくれました。

幸運なことに、その声はショップオーナーのAllisonさんでした。私達は自己紹介をし、カタログと商品サンプルをお見せして、エキシビションをしたい旨を伝えます。もう一人いらっしゃった男性のお店の方は、私になんと日本語で話しかけてこられました。時々言う『そうね!』『かわいい!』とかの合いの手にくすくすと笑ってしまいます。ショップのコレクションはハイレベルで少しアーティスティック。これまでに見た一番いいお店だと感じました。『exclusive, not given』と語られるコンセプトがすっきりと反映されています。

Allisonさんは最初からとてもオープンで、私達の作品を気に入ってくれて、とてもいい感触です。でも、あるデザイナーの展覧会をした時に、Allisonさんは雑誌に情報を送ったり、イベントのために時間をかけ精力を尽くしたのに、その後そのデザイナーが他のショップからも販売を始め、彼女の苦労が結局他に流れてしまった、と話し、そういうことが無いようにきちんと取り決めをしたい、と話されました。

確かに、どのお店にも同じ『一点もの』が並んでいたのではお客様もがっかり、飽きてしまわれるので、お店にとっては独占販売は要です。でも、クラフト作家は一つのショップの売り上げでは食べていけず、結局ビジネスが成り立たなくなってしまいます。

b0091802_16565221.jpgでも。もしAllisonさんが私達の作品を販売してくださるのなら、私はこのショップ一つに絞っても良いと思います。それぐらい素敵なお店です。数は少なくても、長いお付き合いをし、ショップさんの意見を聞きながら刺激をうけて制作ができれば、それが理想です。私達二人は、期待を抱きながらカタログを差し上げ、お店を後にしました。

写真はこの時やっていた展示、セリグラフィで一枚一枚プリントして作られた壁紙で、イタリア人アーティストの作品。白い部屋に一枚だけ、こんな壁紙をあしらって。。なんて想像を膨らませてしまいます。毎日帰ってくる自分の部屋のため、ちょっとだけの贅沢。

さて、私達の願いは叶うでしょうか。
メゾン・ド・オブジェのこと、全然書けませんでしたね(笑)次回また。
by aikafeltworks | 2007-09-13 05:32 | お知らせ・リポート・ショップ
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浦田愛香 フェルトワーク from Finland
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