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Kirpputoriさんでフェルト製品の販売が始まります
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忙しくて更新ができずにいる間に、ロバにエミはすっかり秋になってしまいました。夏の訪れは慎重だけど、秋は滑り落ちるように急速に確実にやってきます。もう朝の気温が2度とか。白い靄が景色を浸食します。白樺の葉が、数束の枝だけちょっとだけ黄色になっているのを発見して、折れちゃったのかな、と希望的観測をしていましたが、どんどん黄色が広がって、まだ青いけれど寒そうな芝生にはもう落ち葉がたくさん。この落ち葉が枯葉になる時間もないままに、初雪がそれを覆い、空も巻き込んで、いよいよ完全冷凍の世界に入っていくのです。。。寒い(ブルブルッ)

さて、先日東京は五反田のKirpputori(キルップトリ)さんからご注文を頂き、秋冬にむけてフェルトのあったか小物を制作し、お送りしました。Kirpputoriさんは北欧の生活雑貨のお店で、フィンランドのアンティーク陶磁器やグラス、手作りの木工芸品やクラフト品、新しいデザインのものをセレクトして、白い素敵な空間で販売しておられます。先日誕生からちょうど半年が経ったばかりの、若い新しいお店です。(私もAikaFeltWorksを立ち上げてもう少しで2年ですが、一念発起して頑張っている人を見ると応援せずにはいられません。一緒に成長していきたいものです。頑張りましょうね!キルップトリさん)作品たちはまだ東京への道中でしょうか。到着より一足早く、今回制作した作品の一つ、一点もののバッグ『Winter』についてご紹介します。
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このフィンランドの寒い冬を連想させる、白とグレーのウールを使ったハンドメイドフェルトのバッグ、中側はナチュラル色のリネンを使っています。実はこのパターン、ラップランドに生育するトナカイさんの毛皮を模して、二列に配したもの。本物のウールを使ったトナカイのフェイクファー、なのです(笑)。

b0091802_16592334.jpgフェルトの制作は、とてもシンプルでエコロジカル。必要なのはぬるま湯と石鹸水、ウールの原毛と、あなたの忍耐力だけです。石鹸は、松からできているもので、フィン人が川や湖のそばでマットの洗濯をする時に使用するものを使っています。川に流れても大丈夫な成分だったはず。

ウールの原毛を薄い層にし、向きを縦、横、と交互になるように重ねていきます。ここで一方向だけの層でフェルト化すると、縮み率が縦と横で均等にならず、また強度も落ちるようです。

グレーの層を置いた後、白い原毛で毛皮のように見えるように、向きを考えて配置していきます。(最初の写真)

その後、パターンが流れてしまわないように、ぬるま湯を少しずつさして、石鹸水を加えて、原毛を慎重に手で押さえていきます。この時にネット状のものを上に載せて作業をする人もいますが、私は何もなし。指で直に触れないと、なんとなく不安なのです。ゴム手袋もなし。肌が弱い人は手袋をしてくださいね。

手で押さえて少し揺り動かしたりしごいたりして、繊維が絡み付いてゆるい一枚の布になるようにしていきます(上から二つ目の写真)。しっかりしてきたら、裏返してまた押さえる。頃合を見計らってプラスチックパイプなどを芯にしてフェルトを巻きつけ、ころころと転がしながら圧力を加え、しっかりしたフェルトにしていきます。ここでどれだけ長時間作業するかでフェルトの品質が決まるのですが、私はここからマシンを使います。

上から三つ目の写真が、フィン語でマンケリと呼ばれるロールのプレス機。シーツなどをアイロンの代わりにプレスする機械で、小型のものが家庭用で広く使われています。これはもともと私の仕事場にあったもので(私の仕事場は、昔住居として使われていたアパートの地下室。そこに共同の洗濯室、乾燥室、サウナがあり、洗濯機とこのマンケリもその当時の古いものがそのままありました。)それに防水加工をして使用しています。このおかげで背中の痛みが和らぎました(笑)。もちろん強度も飛躍的に上がりました。ぐるぐるぐるぐる、1時間半から2時間ぐらい回しておきます。。。

五つ目の写真は、ぶ厚いフェルトを扱う時に私が使う道具達。最初はマチ針でフェルトを留めたりしていましたが、ぶ厚すぎて針が曲がってしまったり、布がうねうねになってしまって仕事がしづらい。一旦しつけ糸で縫わなければうまく縫えなかったりしたんですが、そんなことをしていては寝る時間がなくなります。そこで活躍してくれるのがクリップ。なぁーんだ、と思いついて初めて、今までの苦労はなんだったの、と思うのですが、一人でクラフトをやってると、こういうことってよくあるのかもしれません。テープはまっすぐの線を引きたい時に。柔らかいフェルトにチャコペンで線をひくのは難しいし、すごく汚れてしまうのです。今回は毛糸を使ってタック(?)を縫います。

できあがったパーツ。内袋のリネンを一旦水で濡らし、縮ませて乾燥させてから裁断していきます。リネンがすごーく縮む素材である、ということも仕事をしている中で学びました(笑)続ける、というのは無条件に、とても大事なことですね。小さなコツを積み重ねて、腕を上げなければいけません。

作業中、音楽を聴きながらいろいろなことを考えるのですが、今回は、このバッグが東京に行くんだ、どんな人に手にとってもらえるのだろう‥‥と想像を膨らませていました。それから、2年前のベルリンのことも。

。。。。

b0091802_18412021.jpg実はこのバッグ、初めて制作したのはドイツのベルリンでだったのです。2005年の2月から3ヶ月間、私達夫婦はベルリンのアーティストレジデンスに滞在し、制作活動をしました。私達のプランは、どこかに作業できるスペースを借りて、地元の人たちと交流しながら制作し、最後にエキシビションをするというものでした。

タフなプロジェクトでした。限られた時間と予算で、ドイツ語で(彼が)不動産会社とコンタクトを取り、二人で一つ一つ決定していかねばなりません。何がどこで買えるのか、ということも一々わかりません。それでも決めてしまえば、見つかれば、後は実行するのみです。私の人生の中で、留学の次に挑む大きな二つ目の山のようでした。時々気持ちががさがさになりました。

大きな窓のある、そしてエントランスのある白いギャラリーのようなスペースを破格で借りることができました。ここのオーナーが、この通りをアートで活気付けたいとの思いから、アーティストユニオンにオファーがあったのです。それでも私達には高い家賃。決断するのに勇気がいりましたが、契約。掃除道具を買い、モップがけからスタートでした。

イケアで買った安いテーブル2台とスツール、それからCDプレーヤー。相方はドイツのラジオから流れる音楽をとても楽しみにしていました。プロジェクターを使って下書きを画用紙に映している彼。

最初に私達のドアをノックしてくれたのは、この建物の上階に住む子供達でした。アフリカと、中近東の顔をした男の子達。ベルリンは移民の街です。私達の借りたエリアはアフリカからの移民がたくさん住んでいました。そしてトルコ人も。後に来てくれた、別のドイツ人のお父さんとその娘さん、イギリス人の奥様が言うには、この娘さんが通う小学校の97%は外国からの子供、たった3%がドイツ人だというのです。失業者もあふれていて、ビジネスが機能していない。ドイツの首都であってどこか他のどこでもない国のような街。

でも、壁の崩壊後はアーティストが沢山住む街でもあります。イスラエルのフォトグラファー、エランは最初躊躇しながらも、恥ずかしそうに入ってきてくれました。雑誌の表紙を飾るようなカメラの腕前です。私が初めて接するユダヤ人でした。彼はユダヤのお祭りの際、私達を彼のアパートに招待してくれ、珍しい祝祭料理をご馳走してくれました。彼のドイツ人の彼女も一緒でした。キャンドルのあったかい光が部屋をてらして、彼の写真も壁に飾られていて、とてもゆっくりと時間が流れる夜でした。

b0091802_1921039.jpg滞在の最後の3週間を展示の期間とし、インビテーションカードを作り、新聞や雑誌に情報を流し始めました。このころが一番ピリピリしていました。展覧会を開く、というのは怖いものです。

この時私は、『Only One Piece』というテーマで一点もののかばんを沢山デザイン、製作し、展示しました。その中にこの『Winter』がありました(前置き長すぎ?)

オープニングの日には、同じ通りで音楽プロダクションの会社を経営している、若くてかっこいいカップルも来てくれて、その彼が、かっこいいなぁ欲しいなぁと言ってくれたかばんです。彼らのビジネスも始めてからまだ数年で、うまく行ってはいるけど、すごく長時間働かなければならず、それをなんとかしなければいけないんだ。。と言っていました。

この時に生まれたデザインは、手間がかかりすぎて制作が困難なものあり、その後もっと研究して質を上げた作品あり、いくつかは今でもフィンランドのショップで販売していただいています。

そんなベルリンでの思い出をもったバッグ、『Winter』。あのころの無知無鉄砲さを恥ずかしく思ったり、ぞっとしたり、少しは成長したろうか、と自分を振り返ったり。もう一度あの体験をやり直せと言われたら、NOと言ってしまいそう。。。それほど、様々な出会いがあったにも関わらず、チャレンジングな大変なプロジェクトでした。

。。。。

Kirpputoriさんでは、Winterバッグのほかに、キャンドルホルダーレースとフェルトのコースタースリッパコテージバッグを販売の予定です。Kirpputoriさんのホームページで、入荷情報を確認してください。皆様のお目にとまりますように!

**********

6日木曜日からパリへ行きます。コメントのお返事が遅れることもあるかもしれませんが、気長にお待ちくださいね。
by aikafeltworks | 2007-09-04 20:06 | お知らせ・リポート・ショップ
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浦田愛香 フェルトワーク from Finland
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