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フィンランドの森の苔玉
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ラップランドの長く雪に閉ざされる冬、あまりの寒さと暗さで外に出る気がせず、閉めきられた室内での生活は息がつまりがちです。でも私は観葉植物はどうも大味な気がして好きでなく、それすらない私達の部屋は無味の一言。窓からのぞく針葉樹の深緑と、それを覆う雪を見ながら、草花が一斉に花開き、緑輝く夏が来るのをひたすら待つだけでした。

ところが!大学の先輩であり、現在は植物事務所を主宰しておられるCOCA-Zさんが残して下さったコメントから、苔玉の存在を知り、まずそのまるい姿の可愛らしさに魅了され、しかもそれでシダやもみじなどを(ここラップランドではもみじは育ちませんが。。白樺がよさそう!)植えつけて育てられるというのです。さぁ時は夏、苔玉を作るなら今です!これで今年の冬は森のミニチュアを部屋に置いて、大好きな苔を眺めながら暮らせるかもしれません。



熱に浮かされたようにいろいろ調べ(私は何かにはまるといつもこんな感じ)苔玉の作り方だけでなく、ミニ盆栽、山野草の盆栽や水辺盆栽についての記述も沢山見つけました。私は「盆栽」といえば、小さな器で無理やり植物をくにゃくにゃに育てていてちょっとエグいなぁ、というイメージを持っていたのですが(今は反省)、小さな世界の中で人の手と植物の力によって一つの自然の輪が完結する盆栽、その技術を何百年も伝えている日本という国に今さら感嘆し誇りを持つのでした。

今、若い女性の間でミニ盆栽が流行っているそうですね。それもうなずけます。野や山に生えている小さな植物達を組み合わせた寄せ植えなど、部屋の中に小さな野や山がそのままやってきたようで、近くでじっくり見れるのが面白いし、さらにその器も大きいのから小さいのまで柄や素材も選ぶのがとても楽しそう。こんな素敵なブログも見つけました。『ミニ盆栽にあこがれて』目下、時間を忘れて拝読しています。

さて、まずは苔玉。COCA-Zさんによると、炭を中心にミズゴケで包み糸でぐるぐる。その上にケト土を塗って、ここで植物の根を一緒に植えつけて、さらに苔で覆って最後にまた糸でぐるぐる巻きにしてできあがり。霧吹きで水をやり、受け皿に水が絶えないようにして育てるそうです。

炭は、もみ殻の炭が日本では売られているようですが、私はBBQ用の炭を砕いて使うことに(これでいいのかしらん?)。苔の種類はよくわからないのでとりあえず森に行って調べてみよう。ケト土。これが問題だけど、森の端沿いに川まで土を掘り起こした溝があって、そこに落ち葉がたまっている粘土質の土壌があるのでそれを使うことにしよう。赤玉土というのを混ぜる、と他からの情報で読んで、それがフィンランドでなんというのか結局わからず、園芸コーナーに行ってみたけど、パッケージを見ただけでは何が入っているのかさっぱりわからない。これか?と思って購入したのは、茶色い軽石だった模様。。。(いいや、これ混ぜちゃえ!)ということで、あるものだけでとりあえずやってみる私のいい加減苔玉はうまくいくのか否か。。。
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写真右、この森はコテージのすぐそばにあります。蚊に刺されないよう、網のジャケットを頭からかぶり、上半身を保護して出発。左が、その森から採取してきた植物たち。このシダは英語でoak fernというらしく、oakといえばどんぐりの、あのオークよねぇ。。はて。何か共通点がありますか?そして、フィンランドの森といえばブルーベリー、コケモモ。今、花は終わって実がなりはじめです。うまく行けば、育てているうちにコケモモが赤く色づき、両方の葉で紅葉がみれるかもしれないのです。泥と、苔2種も集めました。きっと写真右下にあるのがミズゴケだなっと適当に決める。トナカイが食べる、小さくて白緑色の珊瑚のような苔(正確には地衣類というらしい)があるのですが、この森では残念ながら見つかりませんでした。もう少し小高い丘の森にあるので、次回にとっておきましょう。

作り始めると、土を触るのがなんとも懐かしく楽しいんだけど、意外に難しい。シダの茎がものすごくか弱く細くて、風に吹かれて折れてしまうこと2回。そして恐る恐る仕上がったシダの苔玉も、時間とともに小さい方のシダが乾いて死んでいきます。さらに大きな方も垂れ下がってきて‥‥。私、とても重要なことをすっ飛ばしていたようです。白樺の枝もだめになりました。そう、小さな株を見つけたら、挿し木にするために時間をかけて準備するべきだったのでしょう。また、シダは胞子から育てなければいけないのかも。自分の浅はかさを思い知る私。だけど次の日の朝になって、大きな方のシダが茎は折れてしまっていますが、まだ枯れずにいます。もしや復活してくれるかも。。添え木を挿します。
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でも、下のベリーたちは私の見方。たくましく耐えてくれています。これらは小さいながらも潅木で、しっかりした幹をもっています。
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左の写真がブルーベリーで、左の低い方にはもう紫の実がなっていて、右の大きい方は紅葉が少し始まっています。右の写真がコケモモ。これから実が赤くなっていくのを期待します。
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苔玉の行く末が不安になり、一つだけ鉢も作りました。コケモモ、ナナカマド、もう一つは良く知らない(笑)でも紅葉しそうな葉っぱです。右はKissankello(猫の釣鐘)と呼ばれる花。これは森ではなく近所の空き地から失敬。白樺がだめになった玉をまた開いて植えつけました。緑の苔と、花の紫がすごく綺麗。
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うちのバックヤードにやってきました。これから、いくつ生き残ってくれるでしょうか。。。

苔玉を作って、植物を見る目が変わりました。今まで見逃していた草や木がなんと多いことか!先日、野花の写真を沢山撮ったつもりでしたが、目的が変わると目も変わるものです。草花の一つ一つの形が驚きで、発見です。森での一歩一歩も最初とは違ってしまいました。そして、苔の感触。見るのは好きでしたが、触るのは初めてだったかもしれません。白樺もナナカマドも、どんなに小さくてもちゃんとその葉っぱの形をしています。大木を見てすごいすごいと言ってきたけど、最初はこんなチビだったんだ、と今始めて実感がわきます。あぁ、今頃こんなことに気づくなんて。

お水が好きかしら、日光にどれぐらいあててやればいいかしら。
葉っぱの張り具合を見、苔の湿り気を見て、小さな変化に一喜一憂。盆栽の入り口を少しだけ拝見した思いです。

小学校の、朝顔やひまわりの種まきや観察はいいとして、高校くらいで、山野草の盆栽を作る課題が学校であってもよかったのになぁ、と思います。そこらに生えている植物がいかに変化に富んでいるか、いかに小さな宇宙を日本人が作ってきたか、愛したかを知るきっかけが、私にもっと早く訪れてほしかった、と苔玉を作る楽しみから思いました。それから、こんな、私たちだけしか入って行かない森が、すぐそばにあるフィンランドのたっぷりの自然にも感謝。
COCA-Zさん、いろいろ教えてくれてどうもありがとう!

さて。育てねば。これが本筋。
by aikafeltworks | 2007-07-16 05:48 | 思索・散策
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浦田愛香 フェルトワーク from Finland
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