夫が出張で美術の授業を教えに行っている。
その学校の敷地にあるりんごの木、小さな小さなりんごがたわわになる時期がちょうど今。 去年この木のことを知った時から、このりんごの木を家族のコテージがあるkoivuに植えられたらどんなにいいだろうか と思い続けている。去年は夫にこのりんごの実をとってきてもらい、その種から育てられないかと考えていたんだけど、夫が再び行った時はもう氷点下、雪に覆われりんごの実は終わっていて、夢は中断。 そして今年も教えに行くことが決まり、私はりんごの木のことをまた考え始めた。 今回夫はスーパーのビニール袋いっぱいのりんごをごっそりとってきてくれた。 生徒さん達に見られると恥ずかしいので、ポケットに入れれるだけ入れて、3回に分けて取りに行ったのだそうだ。「帰ったらりんごのパイを作る」と電話で約束をした通り、直径4センチほどしかない北の地に育ったりんごたちは、彼の手によって美味しいパイになった。 そして、私の手元には20粒程の種。 パイを食べに夫の両親が来てくれた。 お義父さんに、りんごをkoivuの土地で育てたいのだけれど と聞いてみる。お義父さんもすごく乗り気で、次の日には植木屋さんに行って苗木の値段を調べてきてくれた。 70ユーロ。高いかな、と聞く。 誕生日とか、クリスマスプレゼントとかの理由で買おうか? 種から育てるか。 苗木になるまで7年8年かかるよ。 長いのか 短いのか。 長いのか 短いのか、わからない。 種から双葉が出て、細い茎が伸び、花が咲き、良い香りがして、いよいよりんごの実がなる。その前に何年も、マイナス20度以下の極寒に耐え、雪にうもれても生き続けなければならない。途中で枯れてしまうかもしれない。 そんなことになったら どんなに悲しいか。 毎年 実をつけてくれる りんごの木を想う。 家族が喜び りんごの実を味わう顔が浮かぶ。 だけどみんな、今の年齢の顔をしている。老いた姿が 想像できない。 7年、8年、20年という年月を想う。 遠いのか近いのかわからない将来の 自分のかたちを考える。 何十年も先の楽しみを思って種を植えるという発想は、戸惑いのような妙な心地をかきたてた。 植えてみるか。
by aikafeltworks
| 2006-10-05 05:41
| 思索・散策
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