ユハヌスは祝日で、スーパーなどのお店は全てクローズ。前日からお祭りモードになるフィンランドでは、仕事も半日で終わり、お店も営業時間を短縮するところが多く、コンビニが登場する前の日本の盆正月のように、買い物客がラストミニットに押し寄せます。 フィンランドでユハヌスが特別な位置をしめるのは、冬の長く暗い、太陽の光に焦がれながら過ごす日々からの、反動があるからでしょうね。そして北極圏以北では、真夜中の太陽の季節。私たち家族は毎年、北極圏からやや南にあるサマーコテージに集まるので、地平線より上にある真夜中の太陽を見たことはないのですが、空は夕暮れのようで夜明けのような、幽玄な色合いになります。写真は数年前に撮影した、真夜中を少し過ぎたころの空。 火を見ると、血が騒ぎますか?それとも、炎の揺らぎに気持ちが静まりますか?フィンランド人はこの日、サウナを楽しみ、熱くほてった身体を川や湖に飛び込んで冷やします。でも、水温はとっても低くて冷たいんですよ!コッコと呼ばれる焚き火の炎で血が騒ぐ、というのに加え、酔っ払っているんですね。溺れた人を助けるため、サイレンの音が聞こえてくるのもユハヌスの夜の特徴‥。 サウナは、フィンランドでは神聖な場所とも考えられています。日本のサウナと違って、サウナストーブに水をかけ、上がる蒸気を楽しむのがフィンランド流です。かつてユハヌスに、サウナストーブの薪が燃える音、熱せられた石に水がかけられ蒸気が上がる音、サウナバスタで身体を叩く音、つまり「サウナの音」を、静かなナレーションとともに流すラジオを聴いたことがありました。まるで日本で、大晦日の除夜の鐘を聴いているような、あの息をひそめて時がくるのを待っている、祈りのような雰囲気がありました。 日照時間はユハヌスを境に、また短くなっていきます。これから夏だというのに、少し冬の予感もあって、私はなんだか切ない気持ちになるのですが、そんな気持ちをかみしめながら、静かに時が流れるフィンランドのユハヌスを、今年も太陽を探しながら過ごしたいと思います。夏至の日は昼の時間が長いので、「電気を消してスローな夜を」というタイトルで節電を呼びかけるイベントが行われているそうですね。星空を楽しめる日本の夜に、キャンドルをともしてゆっくりするのも、またいいですね。
by aikafeltworks
| 2013-06-14 05:39
| 思索・散策
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